40代・50代で転職するときは、求人票の「定年」だけでなく、定年年齢、定年後の継続雇用、継続後の雇用条件、再雇用の上限年齢まで確認することが大切です。定年が65歳未満の会社でも、一定の方法で65歳までの雇用を確保する制度が必要ですが、定年後に同じ条件で働けるとは限りません。
応募前に求人票で概要を確認し、内定前後に就業規則や労働条件通知書で具体的な条件を確認しましょう。
40代・50代の転職で最初に確認する定年制度
まず確認するのは、次の4項目です。特に50代では、定年までの残り年数だけでなく、定年後の働き方が収入やキャリアに大きく影響します。
- 定年年齢は何歳か
- 定年後に継続雇用される制度があるか
- 継続雇用の上限年齢は何歳か
- 継続雇用後の雇用形態、給与、勤務日数、仕事内容はどうなるか
たとえば「定年60歳、再雇用制度あり」と書かれていても、再雇用後に契約社員となり、給与や勤務時間が変わる場合があります。「再雇用あり」だけで、定年後も現在と同じ条件で働けると判断しないようにしましょう。
定年年齢と65歳までの雇用確保は別に考える
会社が定年を定める場合、定年年齢は60歳を下回れません。また、65歳未満を定年としている事業主には、原則として次のいずれかによって65歳までの雇用を確保することが求められています。
- 定年を65歳以上に引き上げる
- 希望者を65歳まで継続雇用する制度を設ける
- 定年を廃止する
制度の概要は、厚生労働省の高年齢者雇用安定法に関する資料で確認できます。
ただし、これは「65歳まで現在と同じ職位・給与で働ける」という意味ではありません。継続雇用後の労働条件は、業務内容や勤務日数などによって変わることがあるため、会社の制度内容を個別に確認する必要があります。
定年後の継続雇用で確認する5つの条件
継続雇用制度がある場合は、制度の有無だけでなく、次の条件を確認してください。
1. 雇用形態
定年後も正社員として働くのか、契約社員や嘱託社員になるのかを確認します。契約社員の場合は、契約期間、更新の有無、更新上限も確認が必要です。
2. 給与と賞与
基本給、手当、賞与、退職金の扱いが、定年前とどう変わるかを確認します。求人票に「年収例」しかない場合は、定年後のモデル給与が別に設定されているかを尋ねましょう。
3. 業務内容と役職
定年後に役職を外れるのか、担当業務が変わるのかを確認します。管理職として転職する場合は、定年後に専門職や担当者へ移る制度があるかも判断材料になります。
4. 勤務時間と勤務日数
フルタイム勤務を続けられるのか、週の勤務日数や1日の労働時間が短くなるのかを確認します。勤務時間が変わると、給与だけでなく社会保険の加入条件にも影響することがあります。
5. 継続雇用の上限年齢
65歳までの制度なのか、65歳を超えても働ける制度なのかを確認します。70歳までの就業機会確保は、企業に対する努力義務であり、すべての会社が70歳までの雇用を保証しているわけではありません。
40代と50代では、確認するポイントが異なる
| 年代 | 特に確認すること | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 40代 | 定年までの残り年数、役職定年、昇給制度 | 長期的なキャリア形成や管理職としての上限を確認する |
| 50代 | 定年までの期間、定年後の給与・契約、再雇用の上限 | 転職直後に定年を迎えた場合の働き方と収入を確認する |
40代では定年までに十分な期間があるように見えても、役職定年が定年より前に設定されていることがあります。役職定年とは、一定年齢で管理職の役職を外れる制度です。給与や仕事内容が変わる可能性があるため、定年年齢と併せて確認しましょう。
50代では、転職後の定年までの期間が短い場合があります。たとえば仮に定年60歳の会社へ55歳で入社する場合、正社員として働ける期間は制度上5年です。その後に再雇用されるか、再雇用後の条件がどうなるかまで含めて、転職後の収入を考える必要があります。
求人票や面接で確認する質問
定年制度を確認するときは、次のように具体的に質問すると、制度の内容を把握しやすくなります。
- 「定年は何歳に設定されていますか」
- 「定年後の継続雇用制度はありますか。何歳までが対象ですか」
- 「継続雇用後の雇用形態と契約期間を教えてください」
- 「定年前と定年後で、給与・賞与・勤務日数・仕事内容は変わりますか」
- 「役職定年がある場合、何歳で、どのように条件が変わりますか」
- 「現在募集されている職種で、定年後も同じ仕事を続けた実例はありますか」
「再雇用制度があります」という回答だけで終わった場合は、「再雇用後の契約期間と給与の決まり方も確認できますか」と追加で尋ねます。口頭説明だけで判断せず、最終的には労働条件通知書や就業規則で確認してください。
求人票で見落としやすい定年制度の表記
求人票では、次のような表記を区別して読みます。
- 定年制あり:定年年齢の記載を確認する
- 再雇用制度あり:再雇用後の条件や上限年齢は別途確認する
- 勤務延長あり:定年後も退職せず勤務を続ける制度だが、適用条件は会社ごとに異なる
- 定年制なし:制度の詳細や実際の年齢構成を確認する
「定年制なし」と書かれていても、昇給、役割、契約更新、職務変更に関する年齢基準がないとは限りません。長く働くことを重視する場合は、定年の有無だけでなく、年齢を重ねた後の評価や契約更新の仕組みも確認しましょう。
定年制度だけで転職先を決めないための判断方法
定年年齢が高い会社ほど必ず有利とは限りません。給与、仕事内容、勤務地、退職金、継続雇用後の条件を同じ項目で比較することが重要です。
特に50代で転職する場合は、次の順番で確認すると判断しやすくなります。
- 入社時の雇用形態と、定年までの期間を確認する
- 定年後に働ける制度と、その対象年齢を確認する
- 定年後の給与、勤務時間、仕事内容を確認する
- 定年までと定年後を合わせた働き方が、希望や生活費に合うか考える
結論として、40代・50代の転職では、「定年が何歳か」だけでなく、「定年後にどの条件で何歳まで働けるか」まで確認することがポイントです。まず求人票で定年・再雇用・勤務延長の記載を確認し、応募先には継続雇用後の給与、契約期間、仕事内容、勤務日数を具体的に尋ねましょう。







