50代の転職で離職率を調べるには、転職先の会社が公表する離職者数や従業員数を確認し、50代に限定した数字がなければ、年齢構成・平均勤続年数・求人の掲載状況などを組み合わせて判断します。会社全体の離職率だけでは、50代の働きやすさや定着状況までは分かりません。
50代の転職で離職率を調べる基本的な方法
まず、次の順番で情報を集めます。
- 応募先企業が離職率を公表しているか確認する
- 公表されている場合は、対象期間と対象者を確認する
- 50代の離職率か、全従業員の離職率かを区別する
- 年齢別の在籍人数や退職者数を確認する
- 数字だけで判断せず、求人内容や面接時の説明と照合する
企業の採用ページ、会社案内、統合報告書、有価証券報告書、転職サービスの求人情報などに、平均勤続年数や従業員の年齢構成が掲載されていることがあります。ただし、これらの情報が掲載されていないからといって、離職率が高いとは限りません。
離職率の計算方法を確認する
離職率は、一般に一定期間の離職者数を、その期間の平均従業員数で割って計算します。
離職率 = 期間中の離職者数 ÷ 期間中の平均従業員数 × 100
たとえば、仮に1年間の離職者数が20人、1年間の平均従業員数が400人なら、計算は「20人 ÷ 400人 × 100」で、離職率は5%です。
ただし、企業によって分母や離職者の定義が異なります。自己都合退職だけを含むのか、定年退職・契約満了・会社都合退職も含むのかを確認しないと、他社と単純に比較できません。
50代の離職率か、会社全体の離職率かを見分ける
確認したいのは「50代の離職率」ですが、企業が公表しているのは会社全体の離職率であることも多くあります。会社全体の数字を見るときは、50代の従業員がどの程度いるかも併せて確認してください。
| 確認する数字 | 分かること | 注意点 |
|---|---|---|
| 会社全体の離職率 | 全従業員の定着状況 | 50代だけの状況は分からない |
| 年齢別の退職者数 | 50代の退職状況 | 在籍人数がないと率を計算できない |
| 年齢別の従業員数 | 50代の在籍規模 | 退職者数がないと離職率は分からない |
| 平均勤続年数 | 従業員が長く働いている傾向 | 50代の離職率そのものではない |
50代の在籍人数と、50代の離職者数の両方が分かる場合は、年齢を限定した離職率を計算できます。しかし、どちらか一方しか分からない場合、50代の離職率を正確に算出することはできません。
応募先の50代の離職状況を確認する質問
求人票に年齢別の離職率がない場合は、面接や応募前の問い合わせで、年齢を限定した人数を直接確認します。次のように尋ねると、離職率そのものが分からなくても判断材料を得られます。
- 「現在、50代の社員は何人ほど在籍していますか」
- 「50代で入社した社員は、入社後も継続して勤務していますか」
- 「直近1年間で、50代の社員の入社・退職は何人ほどありましたか」
- 「50代で採用された方の主な配属先や役割を教えてください」
- 「定年までの雇用や、定年後の再雇用について教えてください」
企業が個人情報や社内事情を理由に人数を開示できない場合もあります。その場合は、回答の有無だけで判断せず、採用理由、期待される役割、評価方法、勤務時間、再雇用制度などを確認します。
離職率と一緒に確認したい情報
平均勤続年数
平均勤続年数が長い会社は、従業員が長く勤務している可能性を示します。ただし、平均値には若手社員や短期間で退職した社員も含まれるため、50代の定着状況を直接示す数字ではありません。
年齢構成
50代の社員が一定数在籍しているかを確認します。50代の社員がほとんどいない場合は、採用実績が少ないのか、一定の年齢で退職する慣行があるのかを確認する必要があります。
求人の掲載内容
「長期勤務歓迎」「定年まで勤務可能」「管理職候補」などの表現だけで、50代が定着できるとは判断できません。実際の職務内容、給与の決まり方、役職定年、定年年齢、再雇用後の条件まで確認してください。
同じ求人の掲載期間や内容
同じ会社・同じ職種の求人が長期間掲載されている場合、採用を継続している可能性があります。ただし、事業拡大や欠員補充など別の理由もあるため、求人が長く掲載されていることだけで離職率が高いとはいえません。
離職率を比較するときの注意点
離職率は、同じ条件の数字同士で比較してください。たとえば、自己都合退職だけを集計した企業と、定年退職を含めた企業では、数字の意味が異なります。
- 集計期間が同じか
- 会社全体か、事業所・職種・年代別か
- 自己都合退職だけか、定年退職などを含むか
- 正社員だけか、契約社員やパートを含むか
- 分母が期首の人数か、年間平均人数か
- 勤務地や配属予定の部署が同じか
特に50代の転職では、離職率だけでなく、役職定年、定年年齢、再雇用後の給与、退職金、契約更新の条件を確認することが重要です。離職率が低くても、定年後の条件が自分の希望と合わない場合があります。
公的統計で50代の離職傾向を調べる方法
業界全体や年齢層ごとの傾向を知りたい場合は、厚生労働省の「雇用動向調査」などの公的統計を確認します。年齢階級別の入職者数・離職者数などが掲載されていることがあります。
ただし、公的統計は応募先企業の離職率を示すものではありません。統計から分かるのは、対象となる業界や地域など全体の傾向です。応募先の会社を判断するときは、企業が公表する情報や面接で確認した情報を優先してください。
50代の転職で離職率を判断する基準
判断の目安は、次の3段階に分けると分かりやすくなります。
- 比較的判断しやすい:50代の在籍人数、退職者数、集計期間、離職の定義が確認できる
- 追加確認が必要:会社全体の離職率や平均勤続年数は分かるが、50代の情報がない
- 慎重に確認する:離職率だけでなく、年齢構成、定年、再雇用、配属先の説明もほとんどない
離職率が分からない場合は、無理に数字を推測しないことが大切です。まずは「50代の在籍人数」「直近1年間の50代の入社・退職者数」「定年・再雇用の条件」の3点を確認すると、自分に合う職場か判断しやすくなります。
50代の転職で調べるべきなのは、会社全体の離職率だけではありません。50代に限定した退職者数と在籍人数、離職率の定義、定年後の雇用条件を確認し、同じ条件の情報だけを比較してください。







